防已黄耆湯
特徴と効能
消化吸収を助けながら、余分な「水(すい)」をとり除き、全身の機能を高める医薬品です。
胃腸がきちんと機能することによって、体に必要なエネルギーをつくり出し、消費することができるようになります。
また、余分な「水(すい)」を排泄することで、体をひきしめ、水太りやむくみ(浮腫)を改善することができます。
多汗になる原因も肥満と同様で、体の水分バランスが乱れるために、体が発汗異常を起こしてしまう状態なのです。
そのため、体の水分バランスを整えることで汗が抑えられます。
成分
主薬の“防已”は、体の水分循環をよくして余分な水分を取り去るとともに、痛みを発散して治します。
“蒼朮”も水分循環をよくする生薬で、“防已”の作用を助けます。もう一つの主薬“黄耆”には、滋養強壮作用のほか汗を調節する作用があるといわれます。
さらにこれに、胃腸によい“生姜”と、緩和作用の“大棗”および“甘草”が加わります。これらがいっしょに働くことで、よりよい効果を発揮します。
- 防已(ボウイ)
- 黄耆(オウギ)
- 蒼朮(ソウジュツ)または白朮(ビャクジュツ)
- 生姜(ショウキョウ)
- 大棗(タイソウ)
- 甘草(カンゾウ)
対象者
- 体力中等度以下で、疲れやすく、汗のかきやすい傾向があるものの次の諸症:肥満に伴う関節の腫れや痛み、むくみ、多汗症、肥満症。
適応証(体質)は、虚証(虚弱)、湿証(水分停滞)
注意点
もともと水分を体に溜め込みやすい体質なので、日頃から冷たいものを食べ過ぎたり、水分を摂り過ぎたりしないように注意して、水太りや関節のケアを意識する。