生薬の種類と特徴まとめ

 

 

生薬の種類

 

 

オウゴン

 

 

オウゴンの基原はシソ科コガネバナの周皮を除いた根です。生薬の三品分類では、中品に分類されます。

 

重要な成分としてバイカリンなどを含み、消火、利尿、解熱などの作用が有ります。注意を要する患者群としては、インターフェロン製剤使用中の患者、肝硬変の患者です。

 

オウゴン含有製剤の服薬中に呼吸困難、乾性咳払い、発熱を生じたら薬剤性間質性肺炎を疑い、
すぐに中止を考慮し、胸部X線や採血などを適切な検査で行う必要が有ります。

 

 

甘草

 

 

甘草の基原はマメ科カンゾウなどの根およびストロンです。生薬の三品分類でも上品に分類され、補気作用や抗炎症作用などを有し、多くの漢方薬に復荒れています。甘草は構成生薬として医療系漢方製剤の約70%に含まれています。

 

重要な成分はグリチルリチン酸などで、注意を要する患者群としては、ループ利尿薬服患者、高齢者、低カリウム血症を有する患者、腎機能低下症例、原発性アルドステロン症の患者、ミオパシーの患者です。

 

甘草に含まれるグリチルリチン酸は、代謝された後、グリチルレチン酸となり、鎮痙、鎮静、抗炎症作用を示します。副作用として偽アルドステロン症があります。

 

その症状は、血圧上昇、浮腫、動悸、筋肉痛などが有ります。検査所見では、血清カリウム低下、レニン活性低値などがみられます。

 

グリチルリチン酸は腸内細菌により代謝され、グリチルレチン酸に変わります。

 

グリチルレチン酸はコルチゾールの分解を抑制するので、コルチゾールが過剰になり、ミネラルコルチノイド受容体に作用して、Naイオン再吸収、Kイオン排泄を促進し、偽アルドステロン症を発症することになります。

 

甘草含有製剤の使用注意については、併用注意の薬剤として、利尿薬、甘草、グリチルリチン含有製剤などが有ります。

 

 

麻黄

 

 

麻黄の基原は、マオウ科シナマオウなどの地上茎です。温めて発汗させる力が強く、感冒の初期、太陽病期に用いられる方剤に含まれることの多い生薬です。

 

生薬の三品分類では、中品に分類されます。麻黄を含む漢方薬には、葛根湯や麻黄湯などがあり、重要な成分として、エフェドリン、プソイドエフェドリンなどが含まれる。

 

注意を要する患者群としては、高齢者、虚弱者、循環器疾患の患者、排尿障害の患者、授乳中の女性が挙げられます。

 

麻黄に含まれる成分であるエフェドリンは、アドレナリン受容体刺激作用と神経終末からのノルアドレナリン放出促進作用とを併せ持つ、混合性交感神経刺激薬であり、中枢神経興奮作用も有します。

 

治療薬としては、気管支拡張、鎮咳、血圧上昇を目的に使用します。一方で、中枢神経症状、心血菅症状、泌尿・消化器症状などの副作用が有ります。

 

併用注意の薬剤としては、麻黄およびエフェドリン含有製剤、モノアミン酸化酵素阻害剤、カテコールアミン製剤、キサンチン製剤などが有ります。

 

 

山梔子

 

 

山梔子の基原は、アカネ科のクチナシの果実です。生薬の三品分類で中品に分解され、主に清熱作用を目的として漢方薬に含まれます。

 

山梔子を含む代表的な漢方薬は加味逍遥散のほか、黄連解毒湯などです。重要な成分として、ゲ二ポシド、ゲ二シンなどを含み、消炎、鎮静などの作用が有ります。

 

副作用として長期内服症例で、腸間膜静脈硬化症との関連が指摘されています。山梔子の累積服薬量との関連が示唆されていて、腹痛、下痢、便秘、腹部膨満感を訴える症例では、本症を疑う必要が有ります。

 

診断は腹部CTにおける腸菅壁、ならびに腸間膜静脈に沿った石灰化像、大腸内視鏡での粘膜の青銅性変化、潰瘍、病理組織での静脈壁の繊維性肥厚と石灰化などの所見から行います。

 

 

附子

 

 

附子の基原は、キンポウゲ科ハナトリカブト、またはオクトリカブトの塊根に加熱加工などを施したものです。生薬の三品分類では、下品に分類されます。代表的な温薬で、寒に対して用いる漢方薬に含まれることがあります。

 

附子は、八味地黄丸、牛車腎気丸のほか、真武湯などの陰証に適応する漢方薬の多くに含有されています。重要な成分として、アコニチンなどが有ります。

 

注意を要する患者群としては、高血圧患者、頻脈不整脈を有する患者、暑がっている患者、体力の充実した患者などが挙げられます。

 

附しに含まれるアコニチンは、もともとは毒性を有するアルカロイドのため、これを加熱して、減毒加工したものを用います。過量になると、動悸・のぼせ・舌のしびれ・悪心などの症状が出現するので注意が必要です。

 

作用としては、新陳代謝亢進作用、鎮痛作用、利尿・強心作用などが有ります。

 

 

大黄

 

 

大黄の基原はタデ科モビジバダイオウなどの植物の根茎です。生薬の三品分類では、下品に分類されます。

 

大黄を含む代表的な漢方薬には、大黄甘草湯や調胃承気湯など多数あります。重要な成分としてセンノサイドなどを含みます。センノサイドは腸管内でレインアンスロンに変換され大腸を刺激します。
副作用として、腹痛・下痢、子宮収縮作用があり、注意を要する患者群は虚弱者、妊婦、授乳中の女性です。

 

 

人参

 

 

人参の基原はウコギ科オタネニンジンの根です。生薬の三品分類では、上位に分類され、主に補気を目的として多くの方剤に含まれます。

 

人参を含む代表的な漢方薬には六君子湯、大建中湯など多数あります。

 

重要な成分はトリテルペノイド配糖体で、作用は多様で、抗疲労作用、抗ストレス作用、健胃整腸作用などが報告されています。

 

副作用としては、発疹等の過敏症状があり、実証タイプに用いる頭痛、のぼせ、血圧上昇が起こる場合があります。